| 著 作 名 | 全集未収録作品集１０．浪人小説集 (実業之日本社) 安永一代男 五十三右衛門 おもかげ抄 |
| 作 品 名 | 安永一代男 (あんえいいちだいおとこ) |
| 発表年月他 | １９３３年(昭和８年)１月～６月 『河北新報』 |
| ジャンル | 武家もの |
| 映画化・ＴＶ化 | なし |
| あらすじ | 越後浪人の〝新太郎〟は偶然、襲われていた駕籠を助けたことからある姫の屋敷を警護することになるが、襲った相手から命を狙われることになる。 |
| 感 想 他 | 山本周五郎最初の新聞連載小説である。剣戟あり、陰謀あり、恋あり、道中ものでもあるというサービス精神が充満した作品。ストーリーは飽きさせないように巧みに構成されていて最後までどうなるか読ませるものである。しかし、人物像は深みがどうしても欠ける。登場人物は後年の『栄花物語』の祖形のような趣があり、重厚な政治家として田沼意次や平賀源内等が出て来たりして多彩でにぎやかだが、全員を描ききれていない。構想は雄大なのだが、それを消化しきれていないし、剣戟部分にページを費やし過ぎていて、人物をもう少し描きこんでいればと思う。 |
| 書き出し | ｢先生、先生！｣ 雨戸を破れんばかりに叩く音だ。 ｢先生は、いらっしゃいませんか。お明けなすって、辰でございます先生！｣ ｢おう｣ 安芸(あき)新太郎は盃をおいて立上った、玄関の格子を明け、棧を外して戸を明けると、転げるように跳びこんで来た男、 ｢辰か｣ ｢先生、お逃げなすって｣ |
| 作 品 名 | 五十三右衛門 (いそさんえもん) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | おもかげ抄 (おもかげしょう) ※新潮文庫の作品紹介参照 |