著 作 名 全集未収録作品集7.滑稽小説集 (実業之日本社)
    彦四郎実記   喧嘩主従   聞き違い   避けぬ三左
    噴上げる花   恋の伝七郎   風流化物屋敷   若殿女難記
    泥棒と若殿   ゆうれい貸屋   明暗嫁問答   月の出峠  
作 品 名 彦四郎実記 (ひこしろうじっき)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 喧嘩主従 (けんかしゅじゅう)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 聞き違い (ききちがい)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 避けぬ三左 (さけぬさんざ)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 噴上げる花 (ふきあげるはな)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 恋の伝七郎 (こいのでんしちろう)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 風流化物屋敷 (ふうりゅうばけものやしき)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 若殿女難記 (わかとのじょなんき)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 泥棒と若殿 (どろぼうとわかとの)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 ゆうれい貸屋 (ゆうれいかしや)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 明暗嫁問答 (めいあんよめもんとう)  ※新潮文庫の作品紹介参照
作 品 名 月の出峠 (つきのでとうげ)
発表年月他 1939年(昭和14年)7月 『少女之友増刊号』
ジャンル 武家もの・少女もの
映画化・TV化 なし
あらすじ 飯田藩士真之助≠ヘ主君の上意によりお家騒動の禍根を断つため息女藤姫の命を取れと命じられるが、失敗して手傷を負い農家で介抱を受ける・・・。
感 想 他 少女ものの雑誌に発表されただけあって少女が副主人公になっていて、筋立ては先に割れてしまうが、結構しっかりとした作品である。滑稽小説集に入っているが、感動小説集にいれるべき作品である。
書き出し 「・・・伯父上がお呼びですから、柳小路へ行っておいでなさい」
 母からそう云われたとき、真之助はまたお小言かと思ってうんざりした。
 なにしろ伯父の井上仁右衛門はこわい、信濃国飯田藩で、「えへんの仁右衛門殿」と云えば、家中の若侍たちでもたいていは一目おいている。小言を云うときには扇子を突いてえへんと咳払いをするのだが、その咳払いを聞いただけでも冷汗が出るという者さえあった。

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