| 著 作 名 | 全集未収録作品集１１． 婦道小説集 (実業之日本社) つばくろ 紅扱帯一番首 蕗問答 驕れる千鶴 怒る新一郎 鎧櫃 備前名弓伝 牡丹花譜 伝四郎兄妹 五月雨日記 三十二刻 児次郎吹雪 法林寺異記 嫁取り二代記 入婿十万両 |
| 作 品 名 | つばくろ ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 紅扱帯一番首 (べにしごきいちばんくび) |
| 発表年月他 | １９３７年(昭和１２年)４月 『キング増刊号』 |
| ジャンル | 武家もの |
| 映画化・ＴＶ化 | なし |
| あらすじ | 伊達家の家臣〝小平太〟は出城の守備隊長を命じられるが、弟〝小次郎〟の傷の手当てをしてくれた娘との仲を弟に誤解されて怨まれるようになる。 |
| 感 想 他 | パターン的には先が読める作品。 |
| 書き出し | 薄紫色の、眼の眩むような電光が闇をひき裂いた。すると、豪雨を透してすぐ間近に、五曜星の紋打った幔幕(まんまく)が烈風に煽られて凄まじくはためいているのが見えた。 ｢－－幕営だ｣ 伊臣(いおみ)小平太はそう気付いて、 ｢小次郎！｣ と振返った。－－その端へ、叩きつけるような雷鳴が起り、再び電光が走った。その閃光はちょうど、五六間あまり後で三人の敵兵に取囲まれた小次郎が、高腿を斬られてどうと横ざまに倒れる姿をうつしだした。 |
| 作 品 名 | 蕗問答 (ふきもんとう) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 驕れる千鶴 (おごれるちづる) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 怒る新一郎 (いかるしんいちろう) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 鎧櫃 (よろいびつ)〔改題後 鉢の木〕 ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 備前名弓伝 (びぜんめいきゅうでん) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 牡丹花譜 (ぼたんかふ) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 伝四郎兄妹 (でんしろうけいまい) |
| 発表年月他 | １９３９年(昭和１４年)６月 『少女倶楽部』 |
| ジャンル | 武家もの・少女もの |
| 映画化・ＴＶ化 | なし |
| あらすじ | 〝若菜〟は兄の〝伝四郎〟が敵方に寝返ったということを聞き、どうしても信じられず自ら孤児に身をやつして敵方の砦に潜入するが、兄の手で敵に・・・。 |
| 感 想 他 | 少女雑誌に発表された作品だけに少女が主人公で活躍する。うまく出来すぎているのは仕方ないか。 |
| 書き出し | 若菜(わかな)はせっせと矢竹をけずっていた。 そのまえの年、天正二年の冬からとなりの国と戦争をしているので、この肥前(長崎県)大村城のるすをまもるものたちは、鎧甲(よろいかぶと)のつくろいをしたり、武者草鞋(わらじ)や弓矢をこしらえたり、女も子供も手のあるかぎりは戦に必要な物をつくるのにいそがしかった。 －－おや？ 若菜はふと手をとめた。 道の方で子供の泣き声がする、それがどうやら妹の千浪(ちなみ)の声らしい。 |
| 作 品 名 | 五月雨日記 (さみだれにっき) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 三十二刻 (さんじゅうにこく) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 児次郎吹雪 (こじろうふぶき) |
| 発表年月他 | １９３７年(昭和１２年)２月 『少女倶楽部』 |
| ジャンル | 武家もの・少女もの |
| 映画化・ＴＶ化 | なし |
| あらすじ | 郷士の息子〝児次郎〟はいきなり数人の武士に連れてゆかれ松江藩のお世継の身代りになれと強要される。実は彼の兄が御曹司だったのだが・・・。 |
| 感 想 他 | 無理に少女を活躍させているようだ。 |
| 書き出し | ｢今年は雪が遅いなあ｣ 椙山(すぎやま)児次郎は国境に見える伯耆(ほうき)の山々を見やりながら呟いた。 ｢－－ねえ、児次郎さま｣ 慎ましく一緒に歩いていたお冬は、さも胸に包みかねたことでもあるように、 ｢わたくし今まで一度も伺わずにいましたけれど、松太郎さまと貴方とは本当の御兄弟なのでしょうか｣ ｢どうしてそんなことを訊くんです｣ ｢なぜって・・・｣ |
| 作 品 名 | 法林寺異記 (ほうりんじいき) (三幕五場) |
| 発表年月他 | １９２６年(大正１５年)６月 『演劇新潮』 |
| ジャンル | 平安朝もの |
| 映画化・ＴＶ化 | なし |
| あらすじ | 法林寺の金堂壁画を描いている〝弘隆〟はすべてを捨ててそれに打ちこんでいたが、彼の周囲は敵だらけだった。その上彼の壁画依頼の〝道長〟が・・・。 |
| 感 想 他 | 新国劇結成十周年記念の脚本募集での当選作品。上演はされなかった。作者二十三歳の作品だが、生硬な芸術至上主義がいかにも若い。しかし、十分に才能が感じられるものだ。『画師弘高(五幕悲劇)<戯曲>』はその姉妹編か。 |
| 書き出し | 巨勢弘隆(画師) 小野公望(仏画師で画寮の蔵人) 六条倶通(画寮掌司) 唯念上人(祗陀林寺の僧、画寮の蔵人) 入道頼兼(画寮の蔵人) 渡 章子(三位の姫) 玄智上人(紀三井寺の上人) |
| 作 品 名 | 嫁取り二代記 (よめとりにだいき) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 入婿十万両 (いりむこじゅうまんりょう) ※新潮文庫の作品紹介参照 |