| 著 作 名 | 全集未収録作品集１５ 現代小説集 (実業之日本社) 曠野の落日 須磨寺附近 猿耳 溜息の部屋 出来ていた青 豹 家常茶飯 花咲かぬリラの話 麦藁帽子 薮落し 風格 留さんとその女 お繁 世間 正体 蛮人 人間紛失 胡椒事件 火の紙票 花の位置 |
| 作 品 名 | 曠野の落日 (こうやのらくじつ) |
| 発表年月他 | １９２０年(大正９年)第一巻第三号 『創作』 |
| ジャンル | 現代もの |
| 映画化・ＴＶ化 | なし |
| あらすじ | 〝清田〟は友人達に恋人を奪われ失意のうちに東京を離れ、甲州へ帰ることになりその友人達が引越しのために荷物の整理を手伝いに来ていたが・・・。 |
| 感 想 他 | 山本周五郎が十七歳の時に｢山本周五郎質店｣の店員仲間同志手書きで作った文藝同人誌に発表された作品である。編集長は作者自身だった。末尾に以下次号となっていて完結したのか未完のままだったのかは不明。作品は生硬な青年同士の心の葛藤を描いたもので観念的で面白いというものではない。唯、十七歳の時にこんな小説を書いていたのかと興味深い。 |
| 書き出し | 別れて甲州へ離れるとしても、一度は柳川にも逢っておかねばなるまいし、父母とももう少し和解して行きたいと思ったので、東京の伯父の家がすっかり片付いたら、一月ほどでも横浜へ行っていよう、と清田(きよた)は心のうちで決めていた。 秋元清二郎や、高木友吉などが二日隔くらいずつには訪ねて来ては、なにかといろいろ旅のしたくを手伝ってくれていたが、清田には、いろいろな感情のうえからして、少なからず相手の心をさげすむと同時に、かなり激しい被優越感を感じた。 |
| 作 品 名 | 須磨寺附近 (すまでらふきん) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 猿耳 (えんじ) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 溜息の部屋 (ためいきのへや) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 出来ていた青 (できていたあお) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 豹 (ひょう) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 家常茶飯 (かじょうさはん) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 花咲かぬリラの話 (はなさかぬりらのはなし) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 麦藁帽子 (むぎわらぼうし) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 藪落し (やぶおとし) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 風格 (ふうかく) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 留さんとその女 (とめさんとそのおんな) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | お繁 (おしげ) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 世間 (せけん) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 正体 (しょうたい) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 蛮人 (ばんじん) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 人間紛失 (にんげんふんしつ) ※新潮文庫の作品紹介参照 |
| 作 品 名 | 胡椒事件 (こしょうじけん) |
| 発表年月他 | １９３８年(昭和１３年)３月 『少女倶楽部』 |
| ジャンル | 現代もの・少女もの |
| 映画化・ＴＶ化 | なし |
| あらすじ | 〝百代〟は外国商事会社に勤めていたが、気になる言葉を兄に話したことから、頼まれて社長部屋を探ることになる。しかし、見つかって誘拐されて・・・。 |
| 感 想 他 | スパイ小説である。設定にちょっと無理があるような・・・。 |
| 書き出し | 丸ノ内東通十号館の五階に、『欧米商事会社』といる外国商館がある、社長はポオル・レノックスというフランス系のカナダ人で、顔の赧(あか)い白髪頭の愉快な老人だ。－－その商館の秘書課に相良百代(さがらももよ)という少女がいる、年齢はようやく十六歳、水蜜桃のような頬をした、くりくりと敏捷(すばしこ)そうな愛くるしい眼つきの娘で社員たち皆から、 ｢相良のなあに嬢さん｣ という綽名(あだな)をつけられていた。 |
| 作 品 名 | 火の紙票 (ひのカード) |
| 発表年月他 | １９４０年(昭和１５年)１２月 『譚海』 |
| ジャンル | 現代もの |
| 映画化・ＴＶ化 | なし |
| あらすじ | 〝佐野〟博士は『火の紙票』と呼ばれる新型焼夷弾を放射線で防ぐ研究に没頭していたが、ついに空襲訓練で大掛かりな実験をすることになるが・・・。 |
| 感 想 他 | これもスパイ小説である。その時代背景を感じさせるもので、近くにいる外国人に気をつけようという作品。 |
| 書き出し | ｢先生、またアメリカで新しい強力爆薬ができたのを御存じですか｣ ｢聞かないね、例の宣伝じゃないのか｣ ｢宣伝でもないようです。液体酸素を密封しておいて、そいつへある方法で衝撃を与えるのだそうです、レスター・バアローという人の発明で、爆薬には『グルマイト』という名がつけられ、くわしい性能はむろん秘密ですが、何度か実地に試験をすましているそうです｣ 和木賛吉(わきさんきち)はそう云いながらも、熱心に放射線のマイクロメーターを操作していた。 |
| 作 品 名 | 花の位置 (はなのいち) ※新潮文庫の作品紹介参照 |